2024年春節

2024年春節

春節は、中国など中華圏における旧暦のお正月(旧正月)です。春節は中国本土の他、香港、マカオ、台湾、架橋の多いシンガポールやマレーシアなど12カ国・地域で数日間の祝日が設定されています。

日本の年末年始と同様、大晦日には大掃除をして、春節の午前0時には花火や爆竹を盛大に鳴らし(日本では除夜の鐘)、元日には正月料理を家族で食べ、子供にはお年玉(近年は電子マネー)を渡すといった習慣があります。

日本では、風物詩である除夜の鐘の音が煩いと近隣住民から苦情があり、中止や方法の変更を余儀なくされるケースが相次いでいるそうですが、実は中国でも長らく続いてきた春節の花火や爆竹にも同様のことがありました。

中国では2015年に「環境保護のために花火・爆竹の使用を禁止すべきだ」という政策提案がなされ、採用されてしまったのです。そのため、2015年以降、北京や上海などの大都市で花火や爆竹の使用が禁止され、2022年までに中国全域138の都市でも禁止政策が制定されました。しかし、今年から花火や爆竹の使用が一部緩和され、この春節でも伝統行事が復活しつつあるようです。来年以降も、この流れが続くと良いですね。

春節は太陰太陽暦に基づいているため、年によって日にちが異なります。毎年、10月下旬に中国政府(中国国務院)から発表されます。今年の春節は2月10日で、そこから8日間の休みとなりますが、政府は企業に対し大晦日である9日の有給取得を推奨していることから、9連休とする企業、人も多かったようです。

今年の春節は過去最多の人の移動があると言われ、中国政府はその前後を含めた40日間(1月26日から3月5日まで)で延べ90億人が移動すると発表しました。中国人の海外旅行者数もコロナ渦以前の水準に回復すると見られています。

2024年の中国人の海外旅行者数は延べ1億3000万人になると予測されています。2019年は、中国人の渡航先として、日本は香港、タイ、マカオに次いで4番目の人気でしたが、2022年にはマレーシアに抜かれ、現在も「温暖で」「物価が安く」「ビザ免除で行きやすい」東南アジアの国々が人気となっています。

日本では、景気減速を理由に中国人が海外旅行を控えるという意見もありますが、中国では、「休暇が長いから海外旅行をするが、景気の影響もあり近場で」というアンケート結果があり、実際にこの春節も海外に出かける中国人も多くいます。

人気の旅行先としては、シンガポール、マレーシア、タイ(3カ国を頭文字から「新馬泰」と呼ばれたりします)。中国外交部は1月25日、30日以内の滞在について、シンガポールと相互ビザ免除を実施。マレーシアも昨年12月から観光目的で30日以内滞在する中国人に対してビザ免除をしていますし、タイも30日以内の観光目的の滞在についてはビザを相互に免除することに合意していて、「新馬泰」は「温暖で」「物価が安く」「ビザ免除で行きやすい」という条件に当てはまります。

果たして、今後のインバウンドはどのようになっていくのか注目です。ぜひ日本にも多くの外国人が来て、インバウンドが盛り上がると良いですね。

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